ニホンカワウソ調査録

ニホンカワウソの調査・研究の記録 カワウソ目撃情報教はこちらまで→nihonkawauso2020@gmail.com

最新の目撃情報2

 

みなさんこんにちは

しばらくブログを更新できていませんでした。


今年は既にのべ3週間ほど現地調査に行き、複数件の確実なカワウソ目撃情報を入手しています。調査中は目の前のことに頭がいっぱいでなかなかブログを書く余裕がありません。

僕自身はまだ直接の目撃はできておらず、悔しい思いをしていますが、さすが幻の動物ということでますます燃えてきます。いつになったらこの片想いは成就するのでしょうか。


本当に書きたいことは山ほどありますし、今僕ほど熱心に調査している人はなかなかいないと思います。


みなさんがまず気になるのは目撃情報でしょうか。


1年ほど前に徳島県吉野川水系でカワウソを目撃したという情報を入手しました。

目撃した本人と直接話をして確認しましたが、本人が描写した特徴から100%カワウソだと断定できます。

ボートでバス釣りをしていたら、すぐ目の前に頭を出して目があったそうです。

色は黒茶色で、首からお腹にかけては白かった。長い髭があり、頭は丸くつるっとしていた。体長は1メールほどあり、水質がクリアだったので太くて長いしっぽまで見えた。帰ってから調べたが新荘川ニホンカワウソの写真とまったく同じだった。

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もう一件は、数年前に高知県の西南部海岸で目撃がありました。目撃した方はアザラシ?を見たと言っていましたが、聞いた特徴からは間違いなくカワウソだと思われます。


その他もいくつかありますが、また別の機会で紹介します。

 


徳島県の目撃に関して】


徳島県での目撃は近年のものはほとんどなかったのでとても驚きました。また目撃した場所も高知県西南部など僕がカワウソが生き残っていると考えている環境とはかなり違っています。

この目撃から言えることがあるとすれば魚類などカワウソのエサが豊富な場所にはカワウソが生息していても不思議ではないということでしょうか。


僕は日本全国どこにでもとは言いませんが、想像以上に多くの場所にカワウソが生息していると思っています。聞き取り調査などをしていると良く分かるのですがニホンカワウソは忘れ去られた生き物なのです。幻の生き物という言葉が本当にしっくりきます。

 

高知県西南部の目撃情報に関して】


高知県西南部の目撃情報は嬉しい限りです。


僕の調査の結果というと大袈裟ですが、この目撃から諸条件を勘案すると高知県西南部のカワウソ生息頭数は最低2匹以上と推測できます。

大変嬉しいことです。

高知県の西南部は僕がメインで調査している地域ですので、もっともっとカワウソの生息状況を明らかにしたいところです。


生息数の推測に関してはまた別の機会で詳しくお伝えしたいと思います。


ひとまず最新の目撃情報についてまとめました。

質問等ありましたらコメント欄にどうぞ〜!

 


次回は今年度の調査結果について書きます。

ニホンカワウソ再発見の年


あけましておめでとうございます!


冬場は強風と寒波でテントが張れないので海岸での捜索は難しくなります。海面が荒れるとカワウソが出現していても分かりません。


とはいうものの、1月、2月は日を選んでなんとか捜索に行きたいと思っています!


一説によると、ニホンカワウソは冬は河口、磯場で、夏は河川で過ごす可能性が高いそうです。季節ごとに餌を求めて移動しているのではないかという説です。これは僕もその通りだと思っています。


夏季はアユを追って山間河川にまでのぼり、冬は河口にくだり、海岸線の磯魚を獲っていることも予想されます。

冬季に海岸線で多く目撃されるのは、エサの問題ではなく、人が海岸線にあまり出入りしないという安全上の問題もあるのではないかと思われています。(その反対の例もあり河川によって事情は異なるようですが)

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愛媛県で撮られたニホンカワウソ

 

僕が力を入れて捜索している地域では夏に海での目撃が多く、冬は河川にのぼっているのではないかと思っていました。ですが冬の捜索がまだまだ十分ではないと思うので、もっと入念な調査をしたいところではあります。


それにしてもカワウソの調査はなかなか骨が折れます。早朝と夕方は何時間も海を眺め続け、日中は危険な磯場を痕跡を求めて歩き回ります。時間も労力もかかります。1人でするので見落としもあれば、捜索できる範囲も限られてしまいます。雨が降れば痕跡は流されます。潮が満ちても痕跡はなくなってしまうでしょう。

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一昔前の県を挙げての調査では、それこそ数十人体制で数日間みっちりと調査を行い、なんとか痕跡を見つけていたようですね。聞いた話では、海岸線や河原をくまなく歩きながら痕跡を探していたようですね。やり方は今も変わりません。


当時よりもっと生息個体数が少ないはずなのに、一人でカワウソの痕跡を探すのは困難だろうと思われます。

 

トレイルカメラを使えばいいじゃないかと思われるのですが、トレイルカメラも実は曲者なのです。様々な実験をしていますが、風で揺れた草や木の枝が大量に撮られていたり、同一個体のタヌキが何十回も行き来していたりします。一つ映像を撮ってしまうと、その後何分〜何十分は映像が撮れないので(設定で変えられますが、電池の問題等考慮するとこの設定が望ましい)空白の時間が多くなってしまいます。

しかしこの試行錯誤は無駄ではないはずです。生き物の出現の仕方に何らかの法則を見だせればと思っています。


新年早々泣き言のようになってしまいましたが、これは決して泣き言ではありません笑

このような状況を楽しんでいますし、今年こそは絶対にニホンカワウソを発見し映像を撮るぞと意気込んでいます!

何より昨年は確実な目撃情報が数件ありました。


ニホンカワウソとの決戦の年にしたいと思っております。


今年は昨年よりも力を入れて捜索を行います!


なんとか今年こと日本を明るくする嬉しいニュースを届けたいと思います。

 


たいちゃん

YouTubeチャンネル開設しました!㊗️

 

以前より近々やると言い続けていたYouTubeチャンネルをついに開設しました!!


海で撮られたニホンカワウソの秘蔵映像や、トレイルカメラの映像、調査の様子などをアップしていきます!


一緒にニホンカワウソを捜索している気持ちになっていただければと思います!😌


YouTubeチャンネルはこちらhttps://youtu.be/6PDaEhqjSRM


第一回はニホンカワウソ秘蔵映像その1です!

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現在のニホンカワウソの生息地

 

更新が遅くなりすみません。調査中の最新情報はTwitterに載せているのでこちらもフォローお願いします↓

https://mobile.twitter.com/NipponKawauso

 

さて、今回の記事では、現在ニホンカワウソが生息していると僕が考える地域をブログを読んでくださっている方々に包み隠さずお伝えしていきたいと思います。

以前Twitterに書いたように僕はニホンカワウソは面的に生息していると思っています。そのためピンポイントではなく、やや生息範囲を広くとりながら、ニホンカワウソの行動パターンや特徴についても併せて書いていきます。

 

 

 

ニホンカワウソの生息地】


ニホンカワウソが生息しているだろうと考える地域を可能性の度合いによって三段階に分けました。


第一段階はニホンカワウソが生息している(100%)と僕が考えている地域です。

第二段階は生息の可能性が高い地域(70%)、第三段階は生息の可能性がある地域(50%)と分けています。

 

第一段階は高知県宿毛市、大月町、土佐清水市、三原村、四万十川流域、仁淀川流域、愛媛県愛南町から八幡浜市にかけての島嶼徳島県吉野川流域です。

高知県宿毛市、大月町、土佐清水市、三原村、愛媛県愛南町から八幡浜市は隣接しています。

 

この辺り一帯は1960年代から何度も調査が行われており、日本最後のカワウソの生息地だと言われていた場所です。

1960年代から1970年代はこの地域に少なくとも数十頭のカワウソが生息していました。

 

生息の可否と生息可能性の判断の基準は、1. 目撃情報、2. 捜索チームの目撃、3. 痕跡、4. 過去からの流れの4つの観点を総合的に勘案して決めています。

 

生息可能性の最も高いと考えている地域は昔から何度も調査が行われており、痕跡や目撃などが絶えたことがない地域です。現在も目撃情報が出てきます。複雑な地形の海岸線と魚の豊富な中規模河川が何本もあり、カワウソの生息適地だと考えられます。

 

宿毛市から土佐清水市までの海岸線の距離は直線で約50kmほどで、ニホンカワウソ1個体の行動範囲とすると少し広いように思われますが、人の立ち入りを拒むような断崖絶壁の磯が続き、大小無数の河川が流れていることを考えると人目に触れずカワウソが日常的に移動していたとしても不思議ではありません。

 

(捜索メンバーがカワウソを複数回目撃しているのも、この地域の沿岸部です。)

 

(現在は数が減ったことにより、繁殖相手を探すために1個体辺りの行動範囲はさらに広がっていると推測しています。)

 

 

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宿毛市から土佐清水市にかけての沿岸部はこのような磯場が多い

 

 

【河川に生息するニホンカワウソ


川で昔からニホンカワウソの目撃が圧倒的に多かったのが三原村の河川、仁淀川流域、四万十川支流です。


目撃情報と餌になる魚種と量からの推測ですが夏は主に海で冬は主に川で過ごしているという可能性が高そうです。

一昔前の漁師の話では川のカワウソと海のカワウソ2種類がいて、性格や毛色が違ったという話があります。

この説は非常に面白い着眼点だと思いますが、今はこの説が事実かどうか調べるのは難しいでしょう。

一年を通して餌が獲りやすい海に生きる個体群の方が毛色や体格が良いといようなことはあったかもしれませんが、僕は昔も今も愛媛県高知県に生息する多くのカワウソは日常的に(時期によって比重は違うが)海と川を行き来していると思っています。

 

夏と冬では海と川でとれる魚の種類や量が違うので、ニホンカワウソは季節や時期によって海と川を行き来しているだろうと推測しています。


捜索メンバーも海では夏・秋にしかカワウソを目撃したことがありません。

 

仁淀川流域の市町村に関しては現在でも目撃が絶えない地域です。

過去の目撃例は山ほどあるのでまたの機会に紹介します。

 

仁淀川流域での目撃情報はここ数年の間に間違いなさそうなものが何件かありました。


「見たことない生き物が頭を出したりもぐったりしていたという話」や、「橋の上からワニがすっ〜と泳いでいるのを見たという話」、「間違いなくカワウソを見たが人に話しても信じてもらえなかったという話」がありました。

 

最近仕事の関係でお会いした方がたまたま越知町出身でカワウソの話をしたら、「子供の頃仁淀川で遊んでいるときにカワウソを何度か見たよ」と当たり前のように話していて驚きました。現在50歳として40年前だとすると1980年頃でしょうか。

仁淀川とその支流では今も目撃情報があります。

仁淀川は日本一綺麗な清流だと言われており、護岸工事がされていないそのままの川の姿が残っているので、ニホンカワウソの生息適地なのです。

 

四万十川はあまり目撃情報が多くないのですが、最近、四万十川支流でかなり確度の高い目撃情報を入手しました。

 

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仁淀川支流

 

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三原村、宿毛市の中規模河川

 

 

愛媛県ニホンカワウソ


愛媛県宇和海島嶼に関して、直接現地を調査していないのですが、ぽつぽつ情報を入手しています。

愛媛県はカワウソ絶滅宣言が出された直後、県を挙げての調査を実施しており、数年に渡って目撃情報の収集と自動カメラの設置をしました。結果的にはカワウソは映りませんでしたが、かなり確度の高い情報が集まりました。その多くは宇和海の南側の島嶼、海での目撃情報でした。


調査をされていた方に直接お話を聞きましたが、カワウソだと思われる目撃情報はいくつかあったが、映像が映らなかったので、生息可能性は低いという結論をだしたそうです。


2年ほど目撃地点に複数台自動カメラを設置していたようですが、これだけだとカワウソを撮るのは難しいだろうなというのが僕の感想です。


カワウソの移動する習性や、生息頭数の少なさを頭にいれておかないと、他の動物調査で当たり前のことが通用しないのだと思います。

野生動物調査のプロでも、韓国でカワウソを調査されていた方でも、高知県に来て調査をするとカワウソは絶滅したと思うようです。

その理由は生息数がある程度あると、一定の場所に痕跡が残るという考えからです。これは普通の野生動物の調査だと当たり前のことであり、フンなどの痕跡は野生動物の生息を示す最も重要な指標でしょう。


しかしこの当然のことが高知県ニホンカワウソ調査では通用しないのかもしれません。


僕も以前カワウソのフン(スプレイント)を見つけた場所に1年間にわたりカメラを仕掛け、行く度に痕跡を探していたのですが、その後何も見つけられていません。


これがニホンカワウソ捜索の面白いところです。(辛いところです)


さて、愛媛県側の最新の目撃情報は少ないのですが、僕たち捜索チームが目撃している地点からも移動可能だということと、絶滅宣言後の目撃情報を僕なりに分析した結果、愛媛県にもニホンカワウソが生息している可能性は高いと判断しました。


目撃情報をどのように分析しているのかはまた別の記事で詳しく書くことにします。

 

 

【おわりに】

 

ざっーと書いてきましたが、僕がニホンカワウソがこれらの地域に生息しているだろうと推測する(細かい理由は諸々あるのですが)最も大きなものはニホンカワウソの移動距離の広さと、確実な目撃情報です。

確実な目撃情報(捜索メンバー、年配の地域の方でかつてニホンカワウソを目撃したことがあるなど)の場所を起点とすると上記の地域にはニホンカワウソが移動している可能性が高いと考えられます。

 

ニホンカワウソの生息地に関して質問等ありましたら、コメント欄にどうぞ。


続編は【生息可能性は少し下がるがそれでも少数生き残っているのではないかと考えている二段回目の地域】です。

 

近々、YouTubeに捜索メンバーが撮影したカワウソの映像をアップしていきますので、楽しみにしていてくださいませ〜。

 

緊急!最新の目撃情報!

 

強烈な目撃情報が入ってきました!!!

 

2週間前のこと

 

高知県某海岸にて、捜索並びに聞き込み調査を実施しました。

 

僕もまだ興奮が止まないのですがとんでもない目撃情報です。

 

 

早朝、磯で釣りをしていた男性が、今朝よく分からない生き物を見たとのこと。

 

朝まずめ、潮が上がり始めた時間帯に釣りをしていると、20m手前で生き物の頭がピョコンと水面に出た。

その印象を聞くと「頭は丸くて黒っぽかった。横顔だったが、見たことのない生き物で何か分からなかった。大きさは中型犬くらい。」

 

この段階ではウミガメの可能性が捨て切れないので、引き続き質問をした。

 

「ウミガメは見たことがあるし、20mの距離だったのでウミガメだったらすぐ分かる。しかも頭の直径が15cm程あったので、ウミガメにしたら大きすぎてありえない」とのこと。

 

どんな動きだったか聞くと、

「突然ポコっと水面に現れてから、すっーと潜った。渦は巻かずに波紋が2つでて、左の岩陰の方へ消えた。」

 

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念のため視力を聞くと、1.5とのこと。

 

見間違えの線はないとすると、

 

これは間違いなくカワウソだと判断してよいと思う。

 

しかもその目撃場所は、今までカワウソの目撃がたくさんあった地域。

 

このレベルの角度の高い目撃情報はなかなか出てこない。大概の目撃情報はよくよく話を聞くと、おかしい点が見つかるのだが、今回は条件全てが、調査員がかつてカワウソを目撃した条件と一致している。

 

場所、時間帯、目撃の様子、生き物の描写の仕方など、全てが見事にあてはまっている。

 

近々、僕も捜索に行きます。

 

続報を期待していてください。

 

 

 

 

 

 

 

この度の記者発表について

 

9月16日 カワウソ捜索メンバーが記者発表を開きニホンカワウソの映像を公開しました。

(諸事情により僕は記者発表には参加しませんでした)

明日以降、本ブログにて今回の記者発表の詳細や発表に至った経緯をお伝えしていきます。

ニホンカワウソの目撃情報をお持ちの方、もっと詳しく知りたい方は下記のメールアドレスにお問い合わせいただけると幸いです。

taiki8118@gmail.com

 

 

 

 

議論の場 質問ページ

 

ニホンカワウソに関して質問があれば、言える範囲で答えていきますので、なんでもどうぞ!

 

コメント欄に質問書いてくだされば随時回答します。

 

 

この記事のコメント欄を皆様の気軽なコミュニケーションの場、議論の場にしたいと思います。

 

例えば、

1 確実な写真や証拠が撮れた後どのように保護していくのか(もしくは直接的な保護はせず見守るのか)

 

2 どのようにすれば環境省、行政は動くのか(そもそも動いてもらう必要があるのか)

 

3 カワウソの再導入について

 

4 高知県以外の生息情報

 

5 対馬のカワウソについて

 

6 ニホンカワウソ保護の歴史

 

7 ニホンカワウソを取り巻く人物様

 

8 民間レベルでニホンカワウソに関して今後どのような活動ができるのか

 

 

などなど

 

皆様のお考え・意見も聞かせていただけると嬉しいです。