今回はニホンカワウソは本当に絶滅したのか?その2と題して記事を書きます。
その1ではニホンカワウソ絶滅宣言そのものに対する疑問や政治的な疑惑について触れました。もう少し話を深めたいと思います。
確かに、カワウソの専門家の間でもニホンカワウソの絶滅の真偽については意見が割れています。
またそれぞれの専門家にはプライドがあるので、一度絶滅側として論陣を張ったからにはその意見を押し通そうとします。反対側もまたしかりです。
もちろん絶滅派は韓国からたまたま漂流してきた可能性が高いと言い、生存派はこれは在来のカワウソだと主張しました。
対馬のカワウソの話はとても面白いのでまたこのブログで詳しく書きますね!
あまり知られていない話もお伝えできると思います。
このようにニホンカワウソの絶滅については実は、色んな人の思惑や、立場が絡んでいます。
ここでもう一度僕の考えを述べるなら、
僕はニホンカワウソは絶滅していないと考えている立場です。その数は一桁なのか、もう少しいるのかは分かりません。数が限りなく少ないのは事実だと思います。
カワウソらしき動物を目撃したところで、多くの人はそれをカワウソだと認識しません。
なぜなら、みなさんの中でカワウソは絶滅したことになっているからです。
例え、カワウソらしき動物を見たところで、イタチやテン、ヌートリアなど同じような形をした生き物もたくさんいるのでわざわざそれをカワウソだと考えないでしょう。
カワウソの目撃についての実話を一つ紹介します。
高知県の仁淀川でカワウソ調査をしていたある専門家が「この辺でカワウソを見たことないですか」と河川敷で孫を遊ばせていたおばあさんに話しかけました。おばあさんは「ないない」と言ったのですが、何か隠している様子でした。しばらく世間話をして、別れる際にポツリとカワウソの目撃について話しはじめました。
そのおばあさんは数日間続けて、仁淀川の河川敷で都会から来た孫を遊ばせていました。「昨日、もう少し下流に下った辺りでカワウソを見た。昔に何度かカワウソを目撃したことがあり、昨日見た生き物はほぼ間違いなくカワウソだと思う。でもその話を誰かにするとカワウソが可哀想なのでそっとしといてあげたかった。」
(高知県の二淀川は開発が遅れたおかげで、手付かずの自然が残っている清流です。いまだにカワウソの目撃情報があります。)
カワウソを目撃し、それをカワウソだと確信を持つ人は、誰にも話したがりません。その理由は、カワウソを目撃したなんて言うとまずバカにされる。また、上記のおばあさんのように数が少ない動物をそっとしといてあげたいという気持ちからです。
もう1つカワウソの目撃を言えない重大な理由があるのですが、それは次の回に話します。